苛立ち


久しぶりに思い出した
舞台を始めて劇団に入った時
ダンスを始めた時
一輪車を始めた時
自分の大切なものを始めた時の気持ち。

なにもできなかった。
当たり前だけど
始めたばかりの時なんか
なにひとつできない。

悔しくて悔しくて
恥ずかしくて悔しくて
誰にも負けたくなくて
認められたくて
あっちの人間になりたくて
毎日毎日、毎晩毎晩、
ダンスを始めた時は家族にさえ
見せたくもなくて
リビングに誰も入るなと行って
まるで鶴の恩返しの鶴みたいに
篭って篭って
撮ったダンスの映像を
何回も何回も流しながら
止めながら、スロー再生しながら
何時間も夜中にひとりで練習をしていた。

悔しかった。
出来ないことが
辿り着けていない事が。

一番になりたかった。

ずっと一番になりたかった。

一輪車でも
メダルが欲しかったから
頑張った。
頑張ったら全国3位になった。
メダルが貰えた。
演技大会で金メダルを貰えた
市からメダルを貰えた。

でも、
今でもそのメダルを一つも
満足は出来ていない。

もっと頑張れたはずだ。

だから一輪車を辞めて
舞台が生きる意味になった時に
絶対悔いを残したくなかった。

だから誰もいないところで
誰にもバレないように
皆が気を抜いている間に
疲れ切って眠るまで
その日の自分が満足するまで
踊り続けた。

そうしたらダンスチームに
入れて貰えた。
子供達の振付を任された。
イベントでボーカルをさせてもらえた。

TAPも自主練の日は
誰もいなくても
毎回行った。
弟も私も、
例になかったくらい
早くに上のクラスに上がれた。

だから
頑張ることを辞めることはできない。

次までに。
次までに。
誰よりも誰よりも
モノにしてやる。

悔し過ぎて
でも悔しい気持ちを諦めていた
全てを諦めていた事に
今日、気付かされた。
たった2時間位で。

昔はあれだけ
燃えていられていたんだ。

今の私はなにをしてるってんだ。

なにを甘えてんだ。
自己嫌悪でなく、
すっげえ腹が立つ。

ふざけんな!!って
叫びたい。
殴りたい。

昔を思い出せ。

怖いモノは沢山あった。

だけど
大切なモノは一つしかなかった。

それだけの為に生きていた。

一週間の一日の為だけに
毎日を生きられた。
どれだけ殴られても
暴言吐かれても何をされても。

稽古の土曜日の4時間の為だけに
なんだってできた。

忘れんなよ。
何ぬるい生き方やってんだよ。
今幾つなんだよ。
なにやってんだよ。

腐んなよ。
ふざけんなよ。
しっかりしろよ。
戻って来いよ。




ふざけんなよ。

舐めんなよ。

今に見とけよ。

ふざけんな。










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